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「ためにする議論」から「市民のための対話」へ

2017年3月号

「混合介護の弾力化」の議論が 熱を帯びてきています。
発端は 昨年 公正取引委員会が公表した「介護分野に関する調査報告書」での提起でした。

2月10日の「東京圏 国家戦略特別区域会議」で 東京都は「2018年度から豊島区でモデル事業を始めたい」と政府に伝えました。
東京都のモデル事業は「介護保険サービスと保険外サービスの同時・一体的な提供」と「介護保険サービスに付加価値をつけた部分への料金の設定」の2種類からなっています。
小池百合子東京都知事は 利用者の視点に立って 混合介護を「選択的介護」と呼ぶとしています。
【東京都の選択的介護(混合介護)の提案】
政府の「規制改革推進会議」の「医療・介護・保育ワーキンググループ」でも取り上げられ 2月21には「公開ディスカッション」が開催されました。
厚生労働省は「利用者の負担が不当に拡大するリスク」「トラブルが生じた際の救済」「介護保険の理念である自立支援・重度化防止を阻害するリスク」「給付費の増加につながるリスク」「規制を緩和した場合にかかる追加の行政コスト」を理由に
大田弘子議長(政策研究大学院大教授)は 会見で「厚労省はいつもと同じ話をしただけ。前向きな回答はもらえなかった」と苛立ちを隠しませんでした。
山本幸三内閣府特命担当大臣(地方創生・規制改革)からも「ちゃんとやって欲しい」と注文がつきました。
委員の1人で 当日のモデレーターを務めた東京新聞・中日新聞論説副主幹の長谷川 幸洋氏は 厚生労働省の反対論を「奇妙な言い分」と断言しています。

この日の公開ディスカッションでは このテーマに加え「介護サービス情報の公表」と「福祉サービス第三者評価」も俎上に上っています。
「親にいざ介護が必要になったとき どうやって介護施設を選ぶか」は 多くの国民が現実に直面している切実な問題であるにもかかわらず 実際には途方に暮れるケースがほとんどです。
「介護は突然やってくる」のです。
そのため 介護の入口で「要介護状態を適切にアセスメントし」「人生設計に相応しい介護サービスを判断し」「要護者やその家族が納得した上で」施設や事業者を「選択できる仕組み」として既存の両制度を整備してはどうか という投げかけです。

「介護サービス情報の公表」については 公正取引委員会の調査によれば「制度を利用したことがない」が80.8%「利用したかどうか分からない」が11.7%という惨憺たる結果が報告されています。
一方の「福祉サービス第三者評価」も 2015年度の介護サービス事業者の第三者評価受審率は 特別養護老人ホームで6.41% 訪問介護で0.29% 通所介護で0.58%という低率です。
しかも この受審件数4,423件のうち 一部実質義務化を含む強力な受審促進策を施している東京都を除くと その他の全道府県を合わせても わずか1,433件になってしまいます。
参加した有識者からは「もうやめちゃった方がいいんじゃないか」「いっそ『ぐるなび』にでも任せた方がよっぽどいい」といった辛辣な指摘を受けました。
厚生労働省は「周知が不足していたと反省している」と釈明し「これから対策を調査・研究して情報の見せ方を改善していきたい」などと理解を求めました。

「介護サービス情報の公表」と「福祉サービス第三者評価」の両制度は 似て非なる制度です。
両者の相違点は
○前者は「義務」であるのに対し後者は「任意」であること ○前者は「利用者の選択に資する」ことが第一義なのに対し後者は「事業者のサービスの質の向上」を目的にしていること  の2点です。

この日の議論の中でも この点に関する根本的な混同や誤解が見受けられました。
にもかかわらず厚生労働省からは その点を整理・再確認する必要性に言及する発言が まったくありませんでした。
とにかく低姿勢でこの場を乗り切ろうとしているだけ としか感じられません。
この日の議論では 一方は声高に現状の非をあげつらい 他方はひたすら嵐をのらりくらりとやりすごうそうとする
「誰のために」「どんな成果をもたらすためののものか」という原点に立ち戻った対話が行わなければ「規制改革」は「ガス抜き」としか国民には映りません。
  株式会社ウエルビー
  代表取締役 青木正人