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年金受給極大化は幸せをもたらすのか

2018年3月号

政府は、先ごろ新しい「高齢社会対策大綱」を閣議決定しました。
ポイントは、下図の通りです。

とりわけ注目が集まっているのが「70 歳以降の受給開始を選択可能とする」という文言です。
支給を繰り下げる(遅らせる)と、1か月につき0.7%増えるため、65歳を70歳支給に繰り下げると、42%(0.7%×12か月×5年)アップすることになるため、さっそく「損」か「得」かの議論が行われています。

しかし、これはなんだかおかしな議論ではないでしょうか。
当たり前ですが、年金は「貯蓄」ではなく「社会保障」です。
「生涯に受給できる金額(年金)を最大にする方法」というのは、ナンセンスでしかありません。年金の受給総額の多寡が大切なのではなく、自分が本当に必要なときに、必要な額のお金が使えるかどうかです。
雇用保険料を納めているのだから、「必要ないのに退職してでも、失業保険を取得しようとする人」はいません
もし年金を使わなくとも幸せに暮らせるなら、受給額が0円でも問題はないはずです。

現状の社会保障教育が不十分であることが、問題のひとつだと言えるでしょう。


さらに、前述のような「損得論」を展開する似非専門家があまりにも多いことも、この間違った認識に拍車をかけています。

このような事態は、実は、医療や介護のコンサルティングの世界でも同様なのです。
報酬極大化を至上とする、部分最適を得々と伝授する似非コンサルタントが、あまりにも目立つように思えます。
組織や事業の目的をどのように実現させていくか、経営者のみなさんの曇りのない目がなによりの指針です。

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 代表取締役 青木正人