今年の師走 走り回っているのは代議士センセイばかりのようです。
4日の公示・16日の投票を前に 各政党の公約が出そろいました。
政治不信に加え 雨後の竹の子のように12もの政党が乱立する状況で「選べない」「投票したい党や候補者がいない」などネガティブな反応も少なくありません。
しかし代議制の民主政治のもとでは われわれ国民が権利を行使できる最大の機会が選挙であることは間違いありません。
権利を行使しないのは責任から逃げることです。「決められない政治」という批判が 自らにも帰ってくることを覚悟しなければなりません。
先日「一般社団法人日本介護福祉人材教育協会」(代表理事:江草安彦社会福祉法人旭川荘名誉理事長・川崎医療福祉大学名誉学長)の設立記念祝賀会に来賓として出席してきました。
この協会は「日本の介護福祉経営を担う人材の育成および介護の現場を守る介護職員の資質向上支援を通じ 介護福祉のサービスの質向上と21世紀の成長産業に押し上げる基盤づくりに取り組む」という趣旨で設立されました。
日本経済新聞は「老人ホーム成長軌道に 高齢化進み施設追いつかず 入居金元手に投資加速」(9月24日付夕刊)と「サービス付き高齢者住宅
近畿で増設・参入相次ぐ」(9月27日付電子版)と相次いで「住まい系サービス」の活況を伝えています。
「サービス付き高齢者向け住宅」(サ高住)は登録件数で2千・戸数では7万を超え 他方有料老人ホームを運営する上場4社が保有する入居金残高の合計は2013年3月期には合計で579億円(前期比10%増)と過去最高になる見通しです。
さきごろ 2012年版の『厚生労働白書』が公表されました。
第1部は 白書そのものの副題ともなっている「社会保・これからの課題等につ いて 国際比較・意識調査結果や社会を考える論理・哲学等も紹介しながら 社会問題への関心が形成される時期にある学生等の若者世代も読者と想定して 可能な限りわかりやすく説明している」としています。
昨今「人口減少によって国内マーケットが縮む」という少子化にまつわる悲観論が必然のように語られます。
しかし小峰隆夫法政大学大学院政策創造研究科教授によると「人口変化だけで日本経済が悲惨な状況になることはない」そうです。
人口変動と経済成長の関係を整理すると 1990~2010年平均並みの生産性上昇率を前提とすると一人当たりGDPは2010~30年平均で1.0% 2030~50年平均で0.9%増加することになります。
すると GDP全体は2010~30年平均0.6% 2030~50年平均で0.3%増加するといういう結論が導き出されます。
先週末の日本経済新聞の夕刊に六車由美さんのインタビューが載っていました。
ご存知の方も多いと思いますが 六車さんはサントリー学芸賞も受賞した気鋭の民俗学者です。
それが2009年から特別養護老人ホームでデイサービスやショートステイの介護職員として勤務するようになり 彼女が出会った利用者からの聞き書きをまとめ『驚きの介護民俗学』として今年の春出版しました。
漫才コンビ「次長課長」の河本準一さんの母親が生活保護費を受給していた件が さまざまなメディアでとりあげられています。関係団体が「今回の一連の報道はあまりに感情的で 実態を十分に踏まえることなく 浮足立った便乗報道合戦になっている」と声明を発表するほどヒートアップしています。
大前研一氏の「いつの間に子供が親の保護をすることが法律で義務付けられたのか?」 という指摘のとおり 正確な知見もなしに 法的・制度的・道義的さらには文化的・社会的といった異なったレベルを区別することなく論じていることが最大の問題です。
マスコミや自称文化人だけでなく 閣僚まで含めた政治家にも責任があると感じます。
「経済連携協定(EPA)介護福祉士候補者に配慮した国家試験のあり方に関する検討会」(座長:潮谷義子長崎国際大学長)が実施した 合格したインドネシア人介護福祉士へのヒアリングによれば「すべての問題の漢字に振りがなを振る」「母国語での試験の実施」「試験時間の延長」などの対策は望んでいないことがわかりました。
先月末から「介護支援専門員の資質向上と今後のあり方に関する検討会」(座長:田中滋慶応大学大学院教授)の議論が始まりました。
この検討会は 昨年12月に社会保障審議会介護給付費分科会がまとめた「平成24年度介護報酬改定の審議報告(基本方針)」(2011年12月7日)で「ケアマネジャーの養成・研修課程や資格の在り方に関する検討会を設置し議論を進める」とされたことを受けたものです。
介護報酬に係る諮問・答申が行われて1か月以上が立ちましたが 事業者・経営者の関心は3月はじめには発出される予定になっている解釈通知やQ&Aに移っています。
本年は 医療報酬とのダブル改定 介護保険法の改正さらには税・社会保障一体改革とが重なり 例年以上に講演を依頼されることが増えています。
1月30日 東日本大震災のがれきの受け入れをテーマに 黒岩祐治神奈川知事と県民が直接意見交換する対話集会が県庁で開かれました。
新聞やTVの報道でご覧になった方も多いと思いますが 「放射能に汚染されたがれきではない」「何とかして被災地を救いたい」と訴える黒岩知事に対して 開場は反対一色となりました。同日のNHKのニュースでは 行政に対する不信が大きな要因と解説していました。
この反応には違和感を覚えざるを得ない というのが私の偽らざる感想です。
新年あけましておめでとうございます。