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月刊コラム

2005年5月号

2005年5月号

ウエルビーコラム 2005年5月号

在宅給付が施設給付を逆転
利用者=生活者の感性にそった事業展開を

厚生労働省は 介護保険の指定事業者への給付費について 在宅サービス分が施設サービス分を上回ったことを発表しました。2005年1月の介護保険事業状況報告(暫定版)によると 昨年11月分の介護保険の給付費(総額4665億円)中 施設給付費2332億円に対して 在宅給付費は2333億円と 介護保険制度発足以来 初めて在宅分が施設分を上回りました。

最大の要因は 在宅の受給者が246.9万人と施設の受給者77.1万人の3.2倍に達したためです。介護保険制度施行当初の2000年4月時点では 利用者数ベースでみると 在宅の97万人に対し施設は52万人。ところが給付費ベースでは 在宅分618億円に対し 施設は1571億円。在宅の半分強の施設利用者が 給付費の7割を使うという 在宅と施設がアンバランスな状態でした。

その後 介護保険の理念の「在宅重視」が浸透してきた結果 在宅サービスの利用が増え始めました。また 2003年度の介護報酬改定では 施設分を平均4%引き下げる一方で 在宅分は平均0.1%引き上げる という厚生労働省の施策的な後押しもあって 徐々に在宅と施設の給付費が接近してきました。

厚生労働省介護保険課では 今年2月以降も安定的に在宅が施設を上回る状態が続く と見ています。 今国会で介護保険法改正案が成立することによって 今年10月から 現在保険給付でまかなわれている施設の食費や居住費のホテルコストが自己負担になるため 2005年度は年度を通じても 在宅サービス分が施設サービス分を上回ることは間違いないと思われます。

厚生労働省の目論見どおり ということなのでしょう。しかし ここで忘れてならないのは 厚生労働省の政策誘導が成功したというだけでなく これが利用者ニーズに合致した結果だという点です。

「脱施設」は 政策目標というだけでなく 利用者=生活者の自然な感性の発露だったということです。

「高齢化の最後の急な上り坂」といわれる今後の10年間は ますますこの傾向が加速されていくことでしょう。

いつまでも「施設・ハード依存」では 利用者からそっぽを向かれてしまいます。制度や施策がどう変わろうと 生活支援サービスの根本をしっかり見据えて事業を進めていってください。

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