労働供給制約社会にどう対応する(2023年11月号)

労働供給制約社会にどう対応する
社会課題を解決するイノベーションを

介護事業のみならず、わが国の労働力不足は深刻さを増しています。
「Works Report」(リクルートワークス研究所)では、「未来予測2040 労働供給制約社会がやってくる」という特集を組んで、「生活を維持するために必要な労働力を日本社会は供給できなくなるのではないか」という問題意識のもと、その解決策を探っています。
社会において高齢人口の割合が高まり、必要な労働力の需要と供給のバランスが崩れ、慢性的な労働供給不足に直面する状況を「労働供給制約社会」と呼んでいます。

シミュレーションによれば、
①2030年に341万人余、2040年に1100万人余の労働供給が不足する
②労働供給は今後加速度的に減少していく
③労働需要はほぼ横ばい
となるとしています。

とりわけ、高齢人口は、医療・福祉業や物流業、小売業など人手を介する生活維持サービスへの依存度が高く、こうした業種に従事する職種を中心に労働の消費量は今後も増加する可能性が高いと見込まれます。
職種別の労働需給シミュレーションによれば、生活維持サービスを担う職種に著しい労働供給不足が生じるとしています。
介護職員や訪問介護員を指す「介護サービス」職種は、2030年に21.0万人、2040年に58.0万人の供給不足が見込まれ、2040年の労働需要(229.7万人)に対する不足率は25.3%。
全国で平均しても、例えば「週4日必要なデイサービスにスタッフ不足で3日しか通えない」という状況が「標準的な」状態となってしまうと警告を発しています。。

介護サービスの需給シミュレーション 出典:「未来予測2040 労働供給制約社会がやってくる」

解決の糸口は
(1)徹底的な機械化・自動化
(2)ワーキッシュアクト(Workish act) 何か社会に対して提供しているかもしれない、本業の仕事以外の活動
(3)シニアの小さな活動
(4)待ったなしのムダ改革
の4つにあるとしています。

こうした解決策が実現できれば、2030年の労働供給不足が解消可能であるとしています。
2030年時点ではほとんど供給制約が見られず、早期に解決策に着手することで、生活面への悪影響の発生を2030年まで遅らせることができる、という見通しを立てています。

ただし、、解決策に着手する猶予はありません。
手を打つのが1日遅れれば、生活崩壊が1日早まるという危機的状況には変わりありません。

この現在最大の「社会課題」を解決するには、イノベーションが必要です。
社会の困りごと、生活の困りごとを、政治、行政、企業、そして個人の各々が解決するという強い決意を介護サービスからはじめられれば、新しい価値創造に結びつくはずです。

株式会社 ウエルビー代表取締役 青木正人

1955年富山県生まれ。

1978年神戸大学経営学部経営学科卒業。

大手出版社の書籍編集者を経て、出版社・予備校・学習塾を経営、その後介護福祉士養成校・特別養護老人ホームを設立・運営する。自治体公募の高齢者・障害者・保育の公設民営複合福祉施設設立のコンペティションに応募し当選。 2000年有限会社ウエルビー(2002年に株式会社に改組)を設立し、代表取締役に就任。

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