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月刊コラム

2007年7月号

2007年7月号

ウエルビーコラム 2007年7月号

コムスン問題にみる公権力介入の危うさ
いまこそ民間の力で信頼回復を!

この1か月「コムスンショック」が 介護業界の内外を駆け巡っています。
TVのキャスターやコメンテーターは またぞろ「民間事業者性悪説」を唱えたり「介護事業者は利益を出すな」といった 無知で無責任な発言を繰り返しています。
年金問題を見れば 公的セクターによる不祥事のほうが はるかに隠微で より長期的かつ重大な影響を国民生活に与えることは明らかでしょう。

それ以上に 政治や行政・社会の動向や反応で たいへん気になる点があります。
問題への対応・処分は「法に基づいて適正に行う」という原則が 無視される傾向にあるということです。

厚労省は コムスンのグッドウィル・グループ内への譲渡計画が「サービス利用者と国民の納得を得ることはできない」として 凍結するよう行政指導を行いました。しかし 譲渡が適法であれば 事業譲渡先がどこであれ これに公権力が介入することは 法治国家の原則が崩れることになります。
コムスンの違法行為について厳然たる処分を下すことと 世論を気にした行政指導は 根本的に異なっています。
かりに子会社への事業譲渡が行われた場合 これをどう判断するかは 顧客(国民)と市場です。譲渡を「処分逃れ」と判断すれば 事業継続は困難となるでしょう。それほど国民は暗愚ではありません。


今それでなくとも すべての介護事業者とりわけ訪問介護事業者は 必要以上にナーバスになっています。たとえば「同居家族のいる利用者には一切 生活援助を提供してはならない」といった 誤った行政指導に 不承不承ながら従わざるを得ない という空気が蔓延しています。コムスン問題に対する不当な権力行使が認められれば それはすべて われわれに跳ね返ってくるのです。

厚生労働省は 6月12日「全国介護保険事業者指定・指導監督担当者会議」を開催し 都道府県等を通じて 利用者に次のようなメッセージを発信しました。

 

              コムスンの介護サービスを利用されている方へ        
平成20年3月までの間は引き続き コムスンからのサービスが受けられますのでご安心ください。
○平成20年4月以降どうなるかは 市町村・市町村の地域包括支援センターまたは 担当のケアマネジャーにお尋ねください。

○必要な介護サービスが途切れることの無いよう 国・都道府県・市町村が責任を持って対応いたします。

行政が 利用者に安心感を与えたり セーフティーネットを整備することは当然です。しかし 利用者の割り振りにまでに介入すべきではありません。利用者が自分の意思にかかわらず 利用先事業者を決められてはたまりません。
コムスンの事業をどこが買うかは 純粋に民・民のビジネスの問題です。買収の結果は 企業の自己責任です。コムスンの利用者が 買収先のサービスを使うかどうかも自由です。
この原則が破られれば「介護保険の理念や国民の自由はどこかに葬り去られてしまう」という 大きな危機を感じます。


このようなときこそ ケアマネジャーを筆頭に 民間事業者の力の見せ所です。これまでの経験と知識をフルに動員して 利用者サポートに徹し 信頼回復を果たしてください。


※ この問題を契機に これから事業者が目指すべきマネジメントを考えるフォーラム
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