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月刊コラム

2008年7月号

2008年7月号

ウエルビーコラム 2008年7月号

誤った市場の理解が介護低迷の原因
排出量取引制度導入にみる危うさ

地球温暖化についての議論が 大きな盛り上がりを見せています。新聞やテレビでの報道はもちろん 家庭や職場においても わが国の政府も 洞爺湖サミットの議長国として 影響力を発揮しようと 全世界に向けた積極的提案の方向性を模索しています。

地球環境の保護・改善に関して異議を唱える者はいないでしょう。しかし その実現に向けてのプロセスや方策については 疑問が残ります。

とりわけ「排出量取引」制度の創設については わが国のみならず世界が「易きに流れている」ように思えてなりません。何よりも根本的な問題は「排出量取引を導入したとしても 温暖化ガスの総排出量は減らない」という自明の事実です。

積極的推進論者は 経済的利益による企業のインセンティブを強調していますが 制度設計を誤れば「排出枠を買えばいい」といった安易な方法に流れ 自らの努力を放棄した多数の企業を生み出す可能性があります。

また 新たに生まれる「排出権市場」を 投機の対象としてのみ捉えるプレイヤーが参入してくるのは間違いないでしょう。
各国・企業が 環境にやさしい「バイオ燃料」をわき目も振らず追いかけた結果 需給のバランスが崩れ穀物価格が急騰したことや 実態とかけ離れた原油価格高騰という現状を見れば負の影響はたやすく予測されます。

「予防一辺倒」が 医療費や介護費用削減にほんとうに寄与するのか。検証を怠って 妄信的ともいえる制度改革を進めている行政府の危うさは 同じ根っこに由来しています。「国策的」に市場を創設し それを自らの都合(政治的状況や利益団体からの要求など)によってコントロールしようとする(できると考える)姿勢は 市場メカニズムの本質を見誤った 国家主義的なこの国の官僚の体質です。これが 今の介護事業の混乱・低迷を生み出している最大の要因でもあります。

介護・生活支援サービス事業の「果実」とは何か。国民・顧客の利益や将来像が見えていなければ 業界の発展はおろか国の活力も萎えてしまいます。
ご都合主義の強権的締めつけを解き放ち 市場と国民そして事業者の自由な発想を生かす政策転換こそが 豊かな未来を約束してくれるなずなのです。

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