2009年1月号

ウエルビーコラム 2009年1月号

介護事業者が問われるサバイバビリティ
次期改定を見据えた事業展開をスタートさせよ

あけまして おめでとうございます。
京大総長で宇宙プラズマ物理学者の松本紘氏は「世界はサバイバビリティ(生き残る力)を問われる時代に入った」と主張しています。

人類には 地球温暖化や環境・食糧・資源といった多様な問題が待ち構えており サステイナビリティ(持続可能性)を目指すといっても 成立しないのは明らかだといいます。

わが世の春を謳歌してきた米国経済は 金融恐慌の荒波の中でもがき苦しんでいます。
サブプライムローンというトリックは 無限の経済成長神話を崩壊させました。

介護業界でも 2006年度改定時に強調された「制度の持続可能性」は 200年度改定においては 雇用危機と政治の混迷の中で忘れ去られてしまいました。
今回のプラス改定は いわば「あだ花」のようなものです。

基本サービス費ではなく加算中心の今回の報酬増の恩恵は 一律ではなく 個別事業者の格差をいっそう鮮明にするでしょう。さらに介護報酬・診療報酬同時改定となる2012年度には社会保障制度を横断する根本的な大改革が不可避です。

「準」とはいっても 市場経済の中の位置づけられたプレイヤーである以上 期待される付加価値を生み出すことができなければ サバイバル競争の敗者となるのは必定です。制度にぶら下がっているだけの事業者は淘汰されることが 国民や社会の利益にかなうことになるからです。

加算の取得を唯一の目標にした事業方針は 顧客からも市場からも支持は得られません。
この3年間に「どうゆるぎない事業の仕組みを構築するか」が 事業経営者に課せられた最大のテーマです。
そのためには 自らの理念や方針・めざす姿を 全社的により明確に浸透させる必要があります。

  Opportunity is missed by most people
   because it is dressed in overalls and looks like work. 
– Thomas A. Edison
   たいていの人がチャンスを逃す理由は
   チャンスは 作業着姿をしていて 仕事のように見えるからだ

いまこそ 豊かな高齢社会づくりのリーダーとして みなさまの力が求めれているのです。

※事業のサバイバルを賭け 1月17日(土) 介護給付費分科会稲葉雅之委員を迎えて
「3%報酬改定でどう変わる!09年介護事業 -踊り場を迎えた介護事業 発展する事業者の条件」セミナーを開催します。
みなさまのご参加をお待ちしています。

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