2011年2月号

ウエルビーコラム 2011年2月号

自らが招いた「政治の貧困」
業界団体は国民の利益増大に資するもの

1月26日 政府の行政刷新会議は 第6回「規制・制度改革に関する分科会」(分科会長:=平野達男内閣府副大臣)を開いて 昨年10月以降議論を重ねて選定を進めてきた249項目の検討事項をまとめた中間案を発表しました。
このうち 医療・介護や保育に関連した規制・制度改革について検討しているライフイノベーションワーキンググループ(WG)では38項目が挙げられています。

この改革案に対して 早くも業界団体から反対の声が上がっています。
四病院団体協議会(四病協)が 「医療法人の再生支援・合併における諸規制の見直し」に対抗するため委員会を設置することを決めたのです。
ライフイノベーションWGの改革案は 一定の要件を満たした再生事例に限定して「非営利性維持を妨げない範囲」で 営利法人の役職員が医療法人の役員に加わることなどを容認すべきとする内容です。  四病協の反対する理由は「改革案の内容は非営利性を完全に否定している」というものです。

介護の分野でも 規制緩和に反対する動きが業界団体からあがっています。
今国会に上程が予定されている「総合特別区域法案(仮称)」に「株式会社などの民間事業者による特別養護老人ホームの設置」が盛り込まれていることに対して 全国社会福祉施設経営者協議会(全国経営協)が反対表明をしています。
理由は「社会福祉制度を根本から否定する」 からだとしています。

まさに両者の主張は瓜二つ。
エゴ丸出しの既得権益確保でしかありません。

医療にしろ福祉にしろ 事業(者)の目的は 患者や利用者(国民)の幸福や利益の増大にあるのは明白です。
にもかかわらず 事業者が徒党を組むと 自らの利益の極大化という 組織の理論に飲み込まれ 本来の目的が忘れ去られています。

この国の未来が豊かになるかどうかという瀬戸際に 自己保身が最大の目的になっているのは 怒りを通り越して 哀れささえ感じさせます。
政治のふがいなさを憤る前に 自らの意識や行動が 今の政治状況を生み出したことを自省しなければならないでしょう。

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