2019年3月号
ウエルビーコラム2019年 3月号
ポスト2025年、ポスト地域ケアの課題は!?
生産性向上でサステナビリティを確保
予算審議にも大きな影響を与えている統計不正問題への対抗に追われている厚生労働省ですが、先月末から2021年度の制度改正、第8期介護保険事業(支援)計画の策定に向け、社会保障審議会介護保険部会での審議が再開されました。
2019年の夏までに集中的に議論していく「横断的検討事項」は以下の5つです。
1.介護予防・健康づくりの推進(健康寿命の延伸)
2.保険者機能の強化(地域保険としての地域の繋がり機能・マネジメント機能の強化)
3.地域包括ケアシステムの推進(多様なニーズに対応した介護の提供・整備)
4.認知症「共生」・「予防」の推進
5.持続可能な制度の再構築・介護現場の革新
とりわけ、強調されている点が5の制度の持続可能性(サステナビリティ)というテーマです。
議論の根拠となっているのが、人口減少社会を迎える中での現役世代からの保険料収入の激減です。
【2040年を展望した社会保障改革の新たな局面と課題】
加えて、若年労働者の減少と介護労働市場に起因する介護人材の逼迫というもう一つの重い課題にも対応が迫られています。
入国管理法改正による外国人労働者の拡大や「特定処遇改善加算」創設という新たな処遇改善が試みられますが、その成果に期待するだけでは心もとないというのが正直な感想です。
人手頼りの介護システムの限界が明らかになってきた以上、「ポスト2025年」「ポスト地域包括ケア」の焦点として、生産性向上がさらにクローズアップされるのは当然でしょう。
ICTやAI、ロボットの活用だけでなく。介護現場のマネジメントのあり方そのものに大きくメスを入れる時期が到来したようです。
以上のような今後の制度改革の重要ポイントをかみ砕いて解説する少人数セミナー「新年度予算から読み解く医療・介護の経営戦略- 経営者・管理者に次の一手が見える!」を3月23日(土)に開催します。新年度の事業計画・事業戦略立案に必須の内容です。
株式会社ウエルビー
代表取締役 青木正人