2004年1月号

ウエルビーコラム 2004年1月号

介護事業はスロービジネスか
ビジネスの原点に回帰しよう

昨年あたりから「スロー」という言葉がブームになっています。 「スローフード」とは 伝統的な食材や料理を守って 質の良い食材を提供する小生産者を保護し 消費者に味の教育を行い食生活を見直そうとする イタリアで始まった運動で 「ファーストフード」に対するアンチテーゼといえます。

最近では「スロービジネス」という単語も耳にするようになりました。「スロー」と「ビジネス」= 「ゆっくり」と「忙しい」という 一見すると矛盾した言葉がくっついています。

この考え方は 「より大きく・早く・強く」という論理に支えられた グローバリゼーション至上のビジネスのあり方や経済の仕組みが 人と人とのつながりや人と自然とのつながりを切り離しているのではないか という反省から生まれたものです。

先月のコラムでご紹介した 「定常型社会」の発想にも通じるものです。 しかし この「スロー」ブームを はきちがえてはいけません。

「お年寄りにあわせてゆっくり仕事ができるから介護事業を始めたい」「特養では時間に追われる毎日だったのでグループホームでのんびり仕事がしたい」 などといった動機で この仕事に携わりたいという起業志望者や職員が多くなっています。経営者のみなさんなら ここに大きな誤解があることはおわかりになると思います。

「スローなビジネス」というのは 「ゆっくりビジネスをやろう」というのではありません。 ビジネスの原点に回帰して じっくり腰を落ち着けて商売に励もうというスタンスのことを指しているのです。

年の初めに 介護事業の原点である「利用者第一の生活支援サービス」を もう一度見つめなおしてみませんか。

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