2008年1月号
ウエルビーコラム 2008年1月号
介護事業は21世紀の新・価値創造の鍵
ハードな現在こそチャンスの時期
あけまして おめでとうございます。
2007年は コムスンショックと雇用難など 介護業界にとって受難の年となりました。しかし 厳しい状況は 何も介護事業だけではありません。
好調な大企業とは打って変わって 中小零細企業では倒産が増加し 咋年の1月から11月までの11か月間で 一昨年の年間倒産件数(9,351件)を上回り 3年ぶりに1万の大台に乗りました。 また 従業員5人未満の企業に勤める従業者の月給は190,482円で 7年連続の減少となっています。
元首相の中曽根康弘氏は 「20世紀の終わりごろに 日本はあらゆる点で世界的な水準に達し安心してしまった。21世紀に入ってからは 20世紀の恩恵を享受するだけで
新しい価値をつくっていく点が欠けている」 と語っています。
また 堺屋太一氏は 「80年代から文明が変わりだした。物財の豊かさが幸せ という近代思想が疑われ出した。人間の本当の幸せは
物財の豊かさではなく 満足の大きさではないか」 と記しています。
介護事業は インターネットテクノロジー(IT)・環境と並び 21世紀の新しい価値創造のシーズの宝庫です。
私は 2000年から 介護事業は「生活支援事業」という視点を持ってこそ 新時代の産業たり得ると主張してきました。 今年からは
さらなる価値の創造を求めて「人生応援事業」とでもいうべき広い視野で 事業の将来を考えていくことが必要だと思っています。
高齢者や障害者だけでなく 広く生きていく生活者すべてを支え・豊かにしていくことが求められます。
例えば 「住」の分野では 障害者を持った高齢だけを対象とした収容施設はもう要りません。多世代の共生型の住まいこそが
人間本来の生活基盤であるはずです。
また 「『介護』は『生活』の一部分であり 世代間の伝承を可能にする協働型の新たなコミュニティ創造の要である」 という意識を持った事業展開が
事業の未来を豊かにしていきます。
Opportunities are usually disguised
as hard work, so most people don’t recognize them.
- Ann Landers (U.S. columunnist) チャンスはいつもハードな仕事に姿を変えている だから たいていの人は それに気づかない。
無限の可能性を秘めた未来志向の事業を生み出したとき 企業価値向上とそこに働くものたちの幸せが実現されます。