2007年2月号
ウエルビーコラム 2007年2月号
先行き危ぶむ介護事業者 !
多数派は「内向き」志向
日本経済新聞社の介護事業調査(2006年11-12月実施)結果が発表されました。 「2006年度の営業損益の見通し」については 前年度と比べ「マイナスになりそう(悪化しそう)」と答えた事業者が41.1%で 「プラスに転じそう(改善しそう)」の13.9%を 大きく上回っています。 「業績が悪化しそうな理由」については 「介護保険制度の報酬改定」が最多で70.3% 次に多かったのは「人件費の負担増」で50.8% 「利用者の減少」の36.4%と続きます。
「採算の改善に向けてどのような戦略をとるか」については 「間接費の削減」が49.2% 「人件費の圧縮」47.5% 「介護保険制度の枠に当てはまらない新規事業の立ち上げ」39.8% 「サービスの種類の拡充」21.2% となっています。
案の定 悲観的な経営者が多数を占めています。 その結果 「出を抑える」内向きの対策が目立っています。
コストの見直しは どんな状況においても大切な要素ですが かりにそれが唯一の戦略であるなら お寒い対症療法でしかないでしょう。特に 人件費のどこを削ろうとしているのか が疑問に思えます。
「今後新しく始める事業」は 「見守りなどの高齢者向けの介護保険対象外サービス」10.8% 「介護付きの高齢者専用賃貸住宅」10.5% などが主なものです。
保険外サービスと居住系サービスが 新規事業の最多テーマであるのはうなづけますが 具体的なサービスコンテンツと収支の裏づけがともなっているのでしょうか。
みなさまは この結果から 何を読み取りますか? 多数の経営者(41.1%)が ほんとうに「打つ手なし」と考えているなら 少数派の「攻め」志向の経営者にとって こんなチャンスはないでしょう。 「制度のせい」だけ で 結果が左右されるなら マネジメントの放棄でしかありません。
「外部環境と内部要因(自社資源)のたな卸」から生まれてくる「チャンスの芽」は 決して少なくないはずです。