2011年5月号

ウエルビーコラム 2011年5月号

「想定外」にうろたえる専門家
震災を言い訳にするな

さきごろ実刑判決が下され 2年6月の懲役が科せられた ホリエモンこと堀江貴文氏が2005年新語・流行語大賞を受賞したのが「想定外(内)」だったのを覚えているでしょうか。
その「想定外」がゾンビのように復活して 専門家や政府関係者にまで蔓延しています。

これに対して 土木学会・地盤工学会・日本都市計画学会の3学会は「想定外という言葉を使うとき 専門家としての言い訳や弁解であってはならない」という共同緊急声明を発表しました。

日本医師会の執行部は4月24日の定例代議員会で「まずは被災地の医療復興を優先すべきだと」して来年4月に予定されている診療報酬と介護報酬の同時改定を見送るべきだとの方針を表明しました。
同様の方針は 四病院団体協議会や京都府保険医協会などの団体でも 決定や検討が決まっています。

復興のための財源確保は喫緊の課題ですが 報酬改定を遅らせれば財源確保ができるのでしょうか。 「想定外」の災害に圧倒され 判断力を失ったのでしょうか。
日医の執行部は 見送りを提案した理由について「一部で報道されているように 報酬が引き下げられるからではない」としていますが まさに「言い訳・弁解」にしかすぎず 専門家としての資質が疑われます。

報道によれば「政府は『税と社会保障の一体改革』」で 介護保険料を納付する対象者を40歳未満に広げる案を提示する方針」だとされています。
「震災復興と社会保障の強化と財政健全化の同時達成は実現可能。震災復興期に社会保障を充実させることで被災者支援にもなる。震災復興と同時並行で社会保障と税の一体改革を実行すべき」という見解のほうが説得力があります。

専門家が自己保身に走り 思考を停止したり言い訳しているようでは この国に未来はありません。

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