2014年11月号
ウエルビーコラム 2014年11月号
民主導の地域包括ケアモデル
イノベーションの起点として高まる期待
地域包括ケアは
「地域の仕組みづくり先導者は誰でもよい」「全国一斉・一律ではなく先進地域から横展開する」 ことが前提となっています。
そのため民間の動きが活発化しています。
株式会社日本総合研究所は 「ギャップシニア・コンソーシアム」という新しい生活支援サービスのビジネスモデルを立ち上げました。
ギャップシニアとは病気や体力の低下などによって生活上の困りごとが出てきたり やりたいことができなくなったりする「虚弱~要支援の高齢者」を指す造語です。
介護事業者に加え 生活サービス事業者・小売業・鉄道などが接点となって様々なサービスをギャップシニアに結び付けるコーディネートの仕組みを構築するとしています。
具体的には 自治体と民間事業者の協働によるプラットフォームを地域別に設置して ニーズやサービス利用実績に関する情報を共有し ニーズ分析やサービスの開発・提供・評価 ギャップシニアへの情報提供などの調整を行う計画です。
リハビリ型デイサービス「レッツ倶楽部」の開業・運営をフランチャイズ形式で支援するQLCプロデュース株式会社は「ハルサコミュニティ(Halsa Community)」という新形態サービスを来年1月からスタートさせる計画です。
ハルサコミュニティは「フレイル」(高齢になって筋力や活力が衰えた段階;日本老年医学会)対象者に 地域包括ケアの理念にそった シームレスでトータルなサービス提供を行うサービス拠点で 東京都大田区東糀谷2丁目に第1号をオープンします。
「介護保険対象の通所介護」「シニアフィットネス(自費の介護予防)」「介護保険対象の訪問介護」「自費の訪問介護」「居宅介護支援」に加え「ハルサクラブ」というコンシェルジュ機能を持ったオープンなコミュニティサロン「法人対象の介護離職対応サービス」などを展開します。
これらは 保険頼みではない「自助に互助をミックスさせた」民間主導の新しいスキームといえます。 民間の智恵が 地域包括ケアを担うイノベーションを生み出すかどうか 大いに注目されます。
※11/29(土)介護保険制度改革と報酬改定への対応を解説する「介護報酬改定の半歩先を行く地域包括ケア事業の作り方 -報酬と基準を先取りし 大改革を乗り越える事業を再構築するために」を ゲストに 齋木 大・日本総研創発戦略センターシニアマネジャーを迎え開催します。上記の新ビジネスモデルも 詳しくご紹介いたします。
株式会社ウエルビー
代表取締役 青木正人