2004年10月号

ウエルビーコラム 2004年10月号

「新・予防給付」に事業者はどう立ち向かうのか!
事業再構築ができればピンチはチャンスに変わる

先月のコラムでも述べたように 「新・予防給付」の実施に向けて急ピッチで整備が進められています。 中村秀一厚生労働省老健局長は「介護保険情報」(社会保険研究所)2004年9月号のインタビューで

「新・予防給付と介護給付は同時に使えないのか」という問いに対しては 「基本的には使えないだろう。要支援・要介護度1などの認定者のうちリハビリで回復が見込める人に対しては 3・6か月など期間を区切って新・予防給付を受けてもらい その後 再評価して必要であれば介護給付に移行するスタイルになるのではないか」

「新・予防給付の創設で 軽度者が家事援助や通所介護を受けられなくなるのでは」との質問に対しては 「既存のサービスの中で介護予防に有効なものだけを新・予防給付のメニューに加えるので 当然 外れるものも出てくるだろう」 と答えています。

となると 要支援あるいは要介護1の利用者に対して行っていたこれまでの介護給付は 原則的に認められない。つまり このまま手を打たなければ 減収は確実だということです。とりわけ 訪問介護・デイサービス・福祉用具貸与は たいへん大きな影響を受けることになります。 そこで すわ「介護予防」ということで 上記のようなサービス事業者を中心に 悲観論をベースにした混乱も見られます。こんな今こそ 次のような手順で 「企業戦略の再構築」をしてみるべきです。

①自社理念の再確認ないしは再構築 ⇒ あなたの事業の理念や使命は「自立支援」にかなっていますか。また職員すべてが共有できる具体的なものになっていますか。

②事業の定義の再確認ないしは再定義 ⇒ 製品(サービス)志向では環境の変化に対応できず生き残れません。市場(顧客)志向への事業認識ができていますか。たとえば「訪問介護(通所介護・福祉用具貸与etc.)サービスの提供」では製品(サービス)志向の事業の定義です。 市場(顧客)志向であれば「利用者の自立を支援する生活支援サービスの提供」といったような事業の定義がされていなくてはなりません。

③現状の事業の評価 ⇒ 事業(サービス種別や地域)ごとに成果を評価し 投資(ヒト・モノ・カネetc.)を増やす 減らす 場合によっては撤退するなどの意思決定を行うことが求められます。

④新規事業の計画 ⇒ 既存事業を評価した結果 現状のサービスのままでは期待する売上を達成できることが困難 という結論が導き出されたなら 速やかに 新規事業の検討に入るべきでしょう。

いたずらに「介護予防」という言葉だけに振り回されてはいけません。このようなステップを確実に歩んでいけるマネジメントの力あれば むしろチャンスは広がってきます。 恐れることはありません。キーワードは「利用者第一主義」「自立支援」「QOL向上」「ケアマネジメント」そして「ICF(ツールではなく考え方としての)」です(このHPの「What’s New」の中の『介護ビジョン』2004年10月号「介護予防を経営に活かす!」 の座談会 も参照してみてください)。

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

  • URLをコピーしました!
目次