2006年7月号

ウエルビーコラム 2006年7月号

ゴールデンエイジの夢を支えるサービスを
第一四半期を終えて思うこと

2006年度も第一四半期終えました。大規模な制度改革の余波は まだまだ治まったようには見えません。拙速にすぎた改革のほころびをつくろうように 行政当局からは解釈の疑義に関するQ&Aが発出されています。事業経営者にとっては 対応に苦慮することも多かろうと推察いたします。しかし その点を割り引いたとしても 消極的な経営姿勢が目につくところがいささか気がかりです。

先ごろ発表された05年国勢調査速報では 日本の人口に占める65歳以上の高齢者の割合は21.0%とイタリアを抜いて世界一となったようです。少子化の進行もあわせて大きな問題であることも事実ですが 世界に先駆けて高齢社会のモデルを生み出すという視点を持てば 社会を支えるビジネスチャンスは間違いなく広がっています。

たとえば 団塊の世代が退職金として受け取る金額は年間で約17兆円 ピーク時は20兆円を超えると推計されています。もちろん このすべてがマーケットを潤すわけではありませんが GDP比の7~8%にあたる巨大なマナーがビジネスチャンスにならないわけはありません。

この世代の 特徴は「子孫に美田を残す」よりも 自らの生活の質にこだわりを持ち続けるという点にあります。転勤や住み替えに抵抗は少なく 都会にとどまるだけでなく 趣味や生きがいを求めて地方にも生活の根拠を移す人たちも少なくはないでしょう。

リバースモーゲージは 住宅資産を担保に融資を受けて死亡などで融資が不要になったときに住宅を処分して返済する制度です。現状では 目論見どおり根付いているとはいえません。しかし 生命保険を利用し高齢者専用賃貸住宅の前払い金に充当するなど 工夫を凝らしている介護事業者もあらわれてきました。

また 国土交通省では 高齢者が住みづらくなった住宅を死亡時まで借り上げて賃料を払い その住宅を子育て世帯などに賃貸するという「高齢者の住み替え支援制度」をこの春からプロジェクトとして取り組み始めています。この制度が有効に活用できれば 高齢者は自らの土地・建物を売却することもなく また子や孫に相続できる資産として残すこともできます。そうすれば いざとなれば元の自宅に戻ることができるという安心感をもたらすこともでき 高齢者の心理的な抵抗をなくすことにもできるでしょう。

このように 高齢者の生活を支えていく支援サービスの未来は 大きく広がっています。 むしろ 介護保険に無縁な企業や産業がこの点をより強く意識しているように思えます。

生活支援サービスのプロフェッショナルとして 中長期のビジョンを持っていただきたいと感じています。

人生80年は当たり前 余生などではない後半の人生を豊におくりたい思う多くの人たちの 夢を支える事業を創造していきたいものです。

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