2007年9月号

ウエルビーコラム 2007年9月号

コンプライアンスを自ら示し得ない政と官
経済社会を構成するプレイヤーとして行動する事業者となろう!

民主党圧勝という参議院選挙の結果を受けて 安部内閣が改造されました。注目の厚生労働大臣には国民的な人気の高い舛添要一氏が就任しました。
期待にたがわぬ成果を望むところですが 早くも改造内閣の新閣僚の農林水産大臣に「政治とカネ」にまつわる問題が発覚し 就任わずか8日間で辞任との発表がされました。このままでは支持を得ることがでないのは明らかです。「補助金の不正受給」という明らかな法令違反を 政治家自らが犯す政府がいくらコンプライアンスを求めても説得力はありません。

また 来月から民営化が予定されている日本郵政公社においても 驚くような現状が報告されています。
総務省が実施した2006年度の業績評価によると「法令順守の徹底」という評価項目において「郵便」「郵貯」については ABCDEの5段階評価の「C」 「簡保」に至っては最低の「D」
ランクがつきました。民間事業者に対して法令順守を求める前に 自らその襟を正さなければ 政治や行政に対する不信感が増すばかりです。

もはや「ホンネとタテマエを使い分けるのが日本人・日本社会の特徴」という時代ではありません。程度の差はともかく グローバル化・規制緩和を推し進める改革の方向は もう後戻りはできません。
しかしその前提に 情報の公開を第一にした透明性・公正性が担保されていなければ「弱肉強食」の殺伐とした未来しか見えてきません。

今求められるのは 市民社会の原則にのっとったルールづくりです。
 ① 「お上」の作ったルールではなく 自らルール作りに参画する
 ②  民が政・官を監視する ことが必要です。

今回の参議院選挙においても 介護や医療の団体を代表する候補者がことごとく落選しています。組織の力の弱体化を嘆く前に 業界のみならず受益者であるべき国民・生活者に支持される政策を提示できなかった あるいは浸透できなかったことを猛省すべきでしょう。

国民として経済社会のプレイヤーとして自覚的な行動が われわれ自身の未来を決定していく時代になったのです。

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