2009年7月号

ウエルビーコラム 2009年7月号

組織の活性化を阻害するもの
魅力的なリーダーは能動的なフォロワーがつくる

既存の事業者の方々が 弊社にコンサルティングを依頼されるのは「売上や利益を向上させたい」「顧客を増加させたい」という課題がきっかけとなることがその大半だといっても過言ではありません。経営者にとって切実な問題であることは間違いありません。
しかし ほとんどのケースでは 営業手法や計数管理そしてサービス内容など「目に見える改善」によって解決にいたることはまれです。
コンサルティングのプロセスを経ていく中で それらの課題を阻害する真の障害が明らかになっていきます。

多くの場合 その根底には「組織」と「マネジメント」という根源的な課題が横たわっています。
組織が活性化しないと 事業活動は精彩を欠き 組織を活性化させるのがマネジメントの使命です。
マネジメントを改善・再構築するには 組織体系や業務プロセスを見直すことはもちろんですが そこに欠かせないのが「リーダーシップ」の存在です。
リーダーシップは 経営学の中でももっともよく研究されている つまり注目度の高い領域ですが 同時に明確な答えが用意されていないテーマでもあります。

その中で 神戸大学の金井壽宏教授が強調しているのが「フォロワーシップ」です。聞きなれない言葉かもしれませんが 「フォロワー」とはリーダーの働きかけに「ついてくる人」 組織でいえば部下にあたります。
金井氏は リーダーシップを リーダーとフォロワーの間にある現象だととらえ リーダーの行動や資質だけに依存するだけでは 効果的なリーダーシップは機能せず フォロワーが能動的に行動することが重要だと指摘しています。

介護福祉の企業組織でもまさにフォロワーシップが問われています。
中堅層やリーダー層の養成が大きな課題とされる背景にはこの点からもうかがえます。
よいリーダーはよいフォロワーが存在しないと成立しえず よいフォロワーを経ずしてよいリーダーは誕生しないのです。  

混沌とした政局のなか リーダーシップの欠如を嘆く声は大きくなっていますが それを支えるフォロワーシップを持った政治家が育成されてこなっかたことの責任も看過できません。
経営者のみなさまも リーダーであると同時にフォロワーという側面をあわせもっています。
自らの組織においてその重要性を改めて認識するとともに 国民としてよきフォロワーシップを発揮することが いま求められています。

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