2009年11月号
2009年11月1日
ウエルビーコラム 2009年11月号
国・自治体の介護事業観を問う
「のりピー」が介護現場に!?
覚せい剤取締法違反の罪に問われた酒井法子さんに 介護学校からラブコールが続々と寄せられているようです。
10月26日に行われた初公判で「介護の仕事は 大変素晴らしい仕事。前向きに勉強していきたい。(介護を)私の仕事にしたい」と本人が述べたためです。
日本介護福祉士養成施設協会も「そういう人が一人でも増えてくれるのはありがたい」と歓迎しているようです。
来年3月までに10万人の雇用をめざす「緊急雇用対策」を決定した政府の緊急雇用対策本部(本部長:鳩山由紀夫首相)も 介護は「未来の成長分野」として 雇用創出の最重点分野と位置づけてました。
愛知県では この緊急雇用創出事業の一環で 失業者を対象に 介護保険施設で働く人を募集しています。
特別養護老人ホームなどに 人材派遣会社を通じて60日間派遣します。
主な業務は 介護の補助や施設管理などで 経験や資格は不問。
時給900円程度の賃金や事務費など派遣に要する費用は 全額県が負担します。
県によると 一時的な雇用機会の提供と介護施設職員の負担軽減が主な目的で「介護現場を体験することで やりがいや喜びを感じてほしい」としています。
介護事業に 国民の関心が高まるのは結構なことです。
しかし「罪滅ぼし」や「お手軽な体験」で務まるほど 介護の現場は甘くないというのが 関係者の正直な感想でしょう。
不況時の「雇用の受け皿」という認識しかもてないようでは 健全な発展は望めません。