2010年9月号

ウエルビーコラム 2010年9月号

新しい酒は新しい革袋に
社会的要請と経済的要請をつなぐ生活支援サービスを

円高・株安が喫緊の課題とされるなか 政府はようやく重い腰を上げ 8月30日の経済関係閣僚委員会で 経済対策の基本方針を決定しました。
今年度予算の「経済危機対応・地域活性化予備費」の残り約9,200億円を財源とし 雇用・投資・消費・防災・規制改革の5分野を柱に エコポイント制度の延長や若者の雇用対策・環境分野の工場立地を促す補助金制度などが盛り込まれました。

医療・介護分野については 「雇用の基盤づくり」の項目で 潜在的な需要を有する分野として「新しい公共も活用しながら雇用戦略の取り組みを推進し 中小企業の金融支援を通じて雇用を確保する」とされました。

また「規制・制度改革の前倒し」の項目では 「需要・雇用の創出の観点から各分野における規制・制度改革等を迅速に実施する」とされ
「具体的な施策」のなかで 「日本を元気にする規制改革100」(地域活性化および国を開く経済戦略の5分野を中心に財源を使わない景気対策としての規制・制度改革を進める)の重点分野に掲げられています。

このような流れのなかで 弊社も NPOシエン・システムズ 企業組合労協船橋事業団 (有)ナースケアーとコンソーシアムを組み 経済産業省の2010年度「医療・介護等関連分野における規制改革・産業創出調査研究事業(医療・介護周辺サービス産業創出調査事業-医療・介護周辺サービス創出における調査)」に
「地域に眠る有資格者の自営起業化による新産業創出プロジェクト」を提案し 採択されました(概要はこちらをご覧ください)。

このプロジェクトの根幹となるコンセプトは「自営起業」です。
「自営起業」とは
「顔の見える」「なじみ」の関係で結ばれた「コミュニティ」をベースに 高齢者や子育て中の女性を含めた幅広い(看護師をはじめとした)潜在有資格者や専門家が
「自己責任」のもと「個人」で起業し フレキシブルに個人の能力や意欲を活かすことができる新しい起業形態です。

このプロジェクトの目的は「地域の人的資源を活用して都市型のコミュニティを再構築し『無縁社会化』を阻み あわせて内需・雇用を創出する新しいビジネスモデルを創出すること」です。
到達までの道のりは平たんではありませんが  まったなしの社会的要請 (コミュニティの構築) と経済的要請 (成長を促すビジネスモデルの創出)
を受け  いま取り掛かることが求められる活動です。

「新しいぶどう酒を古い革袋に入れる者はいない。
 そんなことをすれば 革袋は破れ ぶどう酒は流れ出て 革袋もだめになる。
新しいぶどう酒は 新しい革袋に入れるものだ」 『マタイによる福音書』第9章14~17

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