2012年2月号

ウエルビーコラム 2012年2月号

身勝手さが横行する社会
自己愛過剰なコミュニティに未来はない

1月30日 東日本大震災のがれきの受け入れをテーマに 黒岩祐治神奈川知事と県民が直接意見交換する対話集会が県庁で開かれました。
新聞やTVの報道でご覧になった方も多いと思いますが 「放射能に汚染されたがれきではない」「何とかして被災地を救いたい」と訴える黒岩知事に対して 開場は反対一色となりました。同日のNHKのニュースでは 行政に対する不信が大きな要因と解説していました。
この反応には違和感を覚えざるを得ない というのが私の偽らざる感想です。

もちろん この間の国や自治体の不手際や隠ぺい体質の露見に辟易しているのは 私も反対派の住民と同じです。
しかし「すでに放射性物質が撒き散らされている土地を『再汚染』させるな」「被災地のことより県内のごみ処理問題解決が先決」といった理由では 「被災地支援にはほかの方法がある」といわれても 詭弁としか思えません。
どんな結論が導き出されるにせよ  まず「被災地や被災者に対して私たちができることを見つけ実践していく」という視点から議論をはじめるべきでしょう。

同様の感想をいだいたのが「12年度介護報酬改定で『介護崩壊進む』」という報道です。
「全国保険医団体連合会は…『実質マイナス改定を前提としたもので基本報酬の多くが引き下げられている』と指摘。その上で『国庫負担削減のツケは利用者・国民とサービス事業者・介護職員に押し付けられるが これでは介護崩壊が一層進む』…国庫負担を拡大し 介護報酬の実質的なプラス改定を実施するよう求めている」と報じられました。

今回の報酬改定や介護保険法改正に対する危惧は 上記の団体以上に強く抱いているつもりです。
しかし「国庫負担による介護報酬のアップを国に求める」という要求を しかも社会保障審議会での諮問・答申が終了した後に求めるという手法はナンセンスとしか映りません。

脳裏に浮かんだのが「当事者意識の欠如」というキーワードと『自己愛過剰社会』(J・M・トウェンギ W・K・キャンベル著)という書籍です。
身勝手さが横行する社会には コミュニティを再生する力や明るい希望はありません。

株式会社ウエルビー 
代表取締役 青木正人

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