2012年6月号

ウエルビーコラム 2012年6月号

ロジカルな議論ができるか否か
ケアマネジャー自らが発信し解決策を

漫才コンビ「次長課長」の河本準一さんの母親が生活保護費を受給していた件が さまざまなメディアでとりあげられています。関係団体が「今回の一連の報道はあまりに感情的で 実態を十分に踏まえることなく 浮足立った便乗報道合戦になっている」と声明を発表するほどヒートアップしています。
大前研一氏の「いつの間に子供が親の保護をすることが法律で義務付けられたのか?」 という指摘のとおり 正確な知見もなしに 法的・制度的・道義的さらには文化的・社会的といった異なったレベルを区別することなく論じていることが最大の問題です。
マスコミや自称文化人だけでなく 閣僚まで含めた政治家にも責任があると感じます。

話変わって「介護支援専門員の資質向上と今後のあり方に関する調査研究」の成果がまとまり「ケアプラン詳細分析結果報告書」が公表されました。
なかにはケアプラン様式を見直して2つの帳票を 追加した新様式の提案も含まれています。
いまのところ「事務負担が増える」 「現場を知らない提案」「一律義務化は反対」など否定的な意見が多いように感じます。
この報告書は「ケアマネジメントのあり方に関する課題を抽出・整理し その課題解決に向けた提言を整理した」(同報告書「はじめに」より)ものです。
通知や法令ではありません。
まさに ここからが「現場」「専門家」 の出番なのです。

新様式の提案は 現状のケアマネジメントプロセスの課題から導き出された解決策のひとつです。
報告書で示された課題分析の適否・改善策の適否を 現場のケアマネジャー自身が中心となって検証し この提案をたたき台として ケアマネジメントをより進化させていくことがなにより大切になります。

現在進行中の「介護支援専門員の資質向上と今後のあり方に関する検討会」では「専門職イコールプロフェッショナルではなくて 介護支援専門員はせいぜいスペシャリスト。それも制度内スペシャリストのところです」という発言も飛び出しています。
ケアマネジメントとケアマネジャーの位置づけを 利用者や社会にとってなくてはならないレベルに高めていくのか。
あるいは「給付管理のスペシャリスト」でいいのか。
この答えを出すのはケアマネジャー自身にかかっています。

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