2012年12月号
ウエルビーコラム 2012年12月号
「決められない」有権者ではいけない
利益誘導型政治から決別を
今年の師走 走り回っているのは代議士センセイばかりのようです。
4日の公示・16日の投票を前に 各政党の公約が出そろいました。
政治不信に加え 雨後の竹の子のように12もの政党が乱立する状況で「選べない」「投票したい党や候補者がいない」などネガティブな反応も少なくありません。
しかし代議制の民主政治のもとでは われわれ国民が権利を行使できる最大の機会が選挙であることは間違いありません。
権利を行使しないのは責任から逃げることです。「決められない政治」という批判が 自らにも帰ってくることを覚悟しなければなりません。
価値観が多様な現代では 100%自分の考えを代弁してくれる政党を見つけ出すことは限りなくゼロに近いのも当然です。
ならば「基本的な理念」と今次選挙の争点のうちもっとも自分が重視する政策に力点をおいて選択せざるを得ないでしょう。
医療や介護・福祉施策に焦点を絞って比較することもひとつの道です。
主な政党の主張の一部を以下に挙げてみます。
【民主党マニュフェスト】
国民健康保険料の5割軽減・2割軽減の対象者を拡大(対象者:約400万人)
低所得の高齢者の介護保険料を約3割軽減(対象者:65歳以上の高齢者の約3割が対象):住み慣れた地域で暮らし続けられるよう 在宅医療・介護を充実します。救急・産科・小児科・外科など地域の医師不足などを改善し 質の高い入院医療が受けられるようにします。
【自民党政権公約】
国民が安心できる持続可能な医療の実現:高齢者医療制度は現行制度を基本
財政の安定化を図り介護保険サービスの充実と保険料の抑制:「多床室特養」の整備・介護型療養施設は必要性を重視し見直す
介護支援専門員の積極的活用:介護支援専門員の国家資格化
【公明党重点政策】
安心のサポート体制と介護従事者の処遇改善:訪問介護・看護サービス等の大幅拡充やICTの活用も含め24時間365日いつでも利用可能な在宅支援サービスを強化します。またこうしたサービス基盤を整備し必要な介護・看護人材の確保や処遇改善を行うため 新たな基金の創設等を行います。
お元気ポイントの導入:介護保険を利用せずに元気に暮らしている65歳以上の高齢者に対し介護予防などの取り組みを評価し 介護保険料を軽減する仕組みをつくります。
住宅セーフティネットの強化:バリアフリーの構造を持ち医療と介護が連携して高齢者を支援するサービスを提供する「サービス付き高齢者向け住宅」の整備・拡充を進めます。
【みんなの党アジェンダ】
世界最先端の医療と切れ目のない介護・障がい者施策ですべての人に「生涯安心」を:
混合診療を解禁・ドラッグラグやデバイスラグを解消し 世界最先端の医療機器や医薬品が速やかに国内で使用できる体制を整える。訪問看護ステーションの1人開業を認める等の規制緩和を推進。医師・歯科医・看護師・介護士等が医療従事者や地域と連携する地域医療・介護体制を構築し同時に在宅医療体制も整備する。医療行為を認められた看護師(ナース・プラクティショナー)資格の導入を検討。看護師の処遇改善を進め休眠看護師が再び復帰できるようにする。療養病床・特別養護老人ホーム・介護老人保険施設・在宅ケア・高齢者住宅等の役割を再検討。高齢者の視点に立つ地域ごとのニーズに合った総合的な高齢者福祉政策を実現する。
【日本維新の会 骨太2013-2016】
経済 ・ 財政を賢く強くする:医療 ・ 福祉の成長産業化
( 例 )診療報酬点数の決定を市場に委ねる制度へ。 ( 例 )混合診療の解禁。
社会保障を賢く強くする:社会保険制度として受益と負担を均衡させる。
なによりも「利益誘導型」の旧来の政治感覚から われわれ自身が決別しなければなりません。
株式会社ウエルビー
代表取締役 青木正人