2013年8月号
ウエルビーコラム 2013年8月号
介護・医療が拓く日本の未来
成長する介護が国際戦略を推進
私が毎年監修している『介護経営白書』の今年度のテーマは「介護を”成長産業”にするための『戦略と方策』」です。
安倍内閣の目玉施策である「日本再興戦略-JAPAN is BACK」と銘打たれた「成長戦略」を念頭に置いたものです。
ところが座談会を企画しても 介護の成長産業化を語れる識者がほとんどいないのが現状です。
そんな中 6月から厚生労働省の国際課が「国際的なActive
Agingにおける日本の貢献に関する検討会」が開催しています。
ASEAN諸国をはじめ 開発途上国における高齢化への対応について 現状や課題・ニーズを明確にし わが国の経験・知見を活用した国際協力を推進するための戦略を検討するものです。
2010年10月に「日本の介護経験がアジアに貢献」というの月刊コラムを書きましたが この「タイ・コミュニティにおける高齢者向け保健福祉・医療サービスの統合型モデル形成プロジェクト」
(CTOP)のために 当時厚生労働省からタイの保健省に赴任していたのが堀江裕国際課長です。
本年1月からは新たに「要援護高齢者等のための介護サービス開発プロジェクト」(LTOP)が始まっています。
このプロジェクトは 介護職やケアマネジャーにあたる専門職を養成するもので 介護支援専門員の長谷川佳和氏(NPO法人ケアマネージメントサポートセンター理事長)らが尽力しています。
参議院議員の武見敬三氏は「21世紀の国際政治において『経済大国から先導的成熟国家』としての役割を担うことが 地政学を越えた新しい外交・安全保障上のメリットを生む」と述べています。わが国の明るい未来を成長・発展する介護事業に重ね合わせることができる政・官・学界人の出現を望むとともに 介護事業経営者自身に大きな夢を語ってもらいたいと願っています。
株式会社ウエルビー
代表取締役 青木正人