2015年8月号

ウエルビーコラム 2015年8月号

ヘルスケアのパラダイムが変わる
地域包括ケア時代に求められる事業者の姿

介護報酬改定が4月に実施されたばかりですが 地域包括ケアの構築とその前提となる2018年度の診療報酬・介護報酬のダブル改定に向けての講演依頼が続いています。
そのときに必ずと言っていいほどお話をするのが「パラダイムシフト」という視点です。
「パラダイム」(paradigm)とは「ある時代や分野に支配的な物の考え方・認識の枠組みや規範」のことをさします。天動説から地動説への変化が その事例のひとつです。

社会保障審議会介護給付費分科会長の田中滋・慶應義塾大学名誉教授は 2015年7月の「生活福祉研究」( 明治安田生活福祉研究所)で 以下のように述べています。

「今から50年前 急性期病院の病棟は 大部分が短期介入対象者によって占められていた。入院中に認知機能が低下する恐れや IADLが悪くなる事態に対する方策も考える必要がほとんどなかった。
今 急性期病院では そのような古典的な入院患者の姿はほとんど見られない。現在では入院患者の過半から4分の3が高齢者となり それらの患者は長期的で継続的なケアニーズも抱えている。…
このような変化を受けて 急性期医療を提供する病院も「一連の医療・介護連続過程」の一環であるとの認識が広まりつつある。在宅医療に代表される生活医療こそが医療の中心となる時代に変わったと捉えられる。
わが国の製造事業者が得意としてきた連続工程間の進捗管理が 介護・医療の世界でも重要になった。…
急性期医療だけでは必要な過程は完結しない。介護だけでも 在宅医療だけでも完結しない。病院・診療所・老人保健施設・特別養護老人ホーム・通所・訪問サービス・居宅介護支援事業所等々の間でのスムーズなインターフェイスと目標共有が問われる時代である」

まさに ヘルスケア(医療・介護)のパラダイムがシフトしつつあるのです。
このような事例は 枚挙にいとまがありません。
パラダイムが大きく変わろうとしている現在 事業経営者に求められるのは「イノベーション」です。
こうお話をしたときのみなさんの反応は 大きく二分されます。
わが意を得たりと大きく頷く経営者。怪訝な表情を浮かべる経営者です。

少子高齢社会のトップランナーであるわが国であればこそ可能な ソーシャルイノベーション(社会変革)が生み出す 豊かな未来に向かって歩みだすのは ヘルスケアに携わるみなさんに与えれらた 大きなチャレンジでありチャンスに間違いないでしょう 。
株式会社ウエルビー
代表取締役 青木正人
8/22(土)のセミナー「地域包括ケアがもたらす大変革(パラダイムシフト)を乗り切るイノベーションとは -2018年診療報酬・介護報酬ダブル改定に向けて今からやるべきこと」では 報酬UPがない時代の”まったなし”の取り組みとサービス提供の姿さらには国の意向と制度の最新情報 を具体的かつ丁寧にお話しします。また ゲストを迎え イノベーションを起こす新しいビジネスモデルを具体的にご紹介いただきます。ご参加をお待ちしています。

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