2015年9月号
ウエルビーコラム 2015年9月号
地域看護がイノベーションを起こすか!?
フラットで自律したナースの可能性
本日(9/3)付の日本経済新聞の朝刊に「セントケアHD 在宅介護 看護師が一貫で 計画作成からサービスまで 担当者継続で自立促す」というタイトルで オランダの「ビュートゾルフ」(Buurtzorg)をモデルにした訪問看護ステーションを立ち上げるという記事が掲載されていました。
同社のニュース・リリースによると 先月設立された訪問看護サービスの新会社「ちいき・ケア株式会社」が「 ビュートゾルフ練馬富士見台(仮称)」を開設し この新拠点で働く訪問看護師「ちいきナース」の募集を開始するとしています 。
この新会社では「ビュートゾルフ」のフラットで自律した組織や、ライフステ ージにあわせた勤務形態を取り入れ 週20時間から正社員として勤務できるなど 優秀な看護師が働きたいと思う職場の環境を整えると表明しています。
「ビュートゾルフ」については 本年5月のコラムや「医療と介護Next」に連載中の「地域包括ケア時代の人材開発 -ヒューマン・リソースからヒューマン・キャピタルへ」の第4回でも触れています。
「わが国とは医療や介護のシステムが異なっている」「分業を否定しては専門性を高めることは困難」など 誰もが手放しで評価しているわけではあありません。
しかし 組織論的に見れば
●組織全体が階層構造を採っていないフラットなセルフマネジメントチームである
●各チームにも管理者はおらず 全てのナースがリーダーシップを発揮していることが期待されている
という点が際だっています。
また 単にサービス提供体制が優れているというより わが国を含め先進国に共通する 保健・医療・介護と社会全体に起こりつつあるパラダイムシフト(大変革)を具現化する画期的なイノベーションやシステム思考を体現しているということが 他の新興サービスとの明確な差異です。
ビュートゾルフの自立と自律を支える仕組み
そこに グローバルな視点でヘルスケアを考えるとき不可欠な視点が見えてきます。
私も 今月オランダにわたって ビュートゾルフを経験してきます。
また別の機会に ご報告いたします。
株式会社ウエルビー
代表取締役 青木正人