2020年5月号

称えたい介護事業者と介護者の貢献
すべての世代で支え合う社会を

5月になりました。
緊急事態宣言の期限が迫っていますが、再延長もやむなしといった情勢です。

この間、わが国の医療関係者の奮闘は、もちろん特筆されますが、介護事業者の献身も目を見張るものがあります。
諸外国では、新型コロナウイルスによる死者数のうち介護施設の入所者が占める割合が急増し、フランスで49.4%、ベルギー49.1%、ポルトガル33%、スペイン53%とも伝えられています。

イギリスの国家統計局(ONS)は、4月11~17日までの間に新型ウイルスによる感染症のため、イングランドとウェールズでは2,000人、前週の2倍が介護施設で死亡した発表しています。1日の死者数は586人(4/28)と、4月8日を境に減り続けています。
しかし、介護施設での死者は増え続けると予測されています。


   【イングランドとウェールズにおける新型コロナウイルスによる日別の死者数/赤:病院 黄色:介護施設

BBC(英国放送協会)によると、イングランド北部の介護施設団体(ndependent Care Group)は、「今では介護施設こそが新型ウイルスとの戦いの『本当の最前線』になったと」話しています。

巷間取りざたされているように、医療体制の堅固さや(靴を脱ぐなどの)衛生的な生活習慣や、公衆衛生意識の高さなどが寄与しているのは間違いないように思われます。

それだけでなく、わが国のケアの力もその一端を担っています。
介護保険制度によるケアシステムが定着してきたことはもちろんですが、社会的な支え合いという介護保険の理念の実現をめざして、ステイホーム週間にもかかわらず、日々機能している現場の力です。

折しも、来年度に予定されている介護保険制度、介護報酬の改定は、大変厳しいものが予想されています。
これを奇禍として、高齢者だけでなく、すべての世代が支え合っていく希望にあふれる社会の姿を幅広く対話し、検討していければと願います。

                                  株式会社ウエルビー 
                                  代表取締役 青木正人

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