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月刊コラム

2021年2月号

2021年2月号

主観的お得感がポストコロナ経済の鍵
医療・介護がもたらす価値を考える

10日ほど前の日本経済新聞に「『お得感経済』と半導体不足」という記事を見かけました。
サブスクリプションによるインターネット上の音楽配信サービスの急拡大を取り上げていました。
【スポティファイの消費者余剰】出典:1/23日本経済新聞

コロナ禍もあって、最大手の「スポティファイ」は利用者が3億2千万人(2020年9月末)にも上っています。
その半数以上の1億7600万人は無料ユーザーで、彼らの「お得感」は、年間1兆560億円。
加えて、有料会員にも3兆4560億円相当のお得感があるため、総額は4兆4120億円と試算しています。

この「お得感」というのは、「消費者余剰」と呼ばれる概念です。
かつて習ったミクロ経済学によると、「すべての消費者が財を消費することによって得る「便益」を⾦銭換算した値(⽀払い許容額)から,その財を⼿に⼊れるために⽀払った⾦額(「⽀出」)を差し引いた値」とあります。
つまり「消費者余剰」とは、ある商品やサービスに、消費者が支払ってもよいと考える金額からその価格を差し引いたもので、消費者が得をしたと感じられる程度を示しているということができます。 

「完全競争市場における価格メカニズムは、消費者余剰と⽣産者余剰の和を最⼤化するという意味で効率的な資源配分を実現する」という文脈で使われる概念です。
一方、価格規制のある⾃由でない競争市場は、資源配分を⾮効率にするとも指摘されます。
もちろん、「完全情報を有する合理的な個人が完全競争市場において最適化行動を行う」(一般均衡理論)自体が、非現実的な仮定であることはもちろんです。

完全規制下にある医療保険や準市場と呼ばれる介護保険マーケットを、自由化せよなどというのは暴論にすぎません。
しかし、主観的で実態がないと批判にさらされ、GDPにも算入されない「お得感」にこそ大きな意味があると、介護報酬改定の決定プロセスを7回も見てきた筆者には思えてくるのです。

                                  株式会社ウエルビー 
                                  代表取締役 青木正人

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