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月刊コラム

2021年11月号

2021年11月号

「新しい資本主義」への期待と不安
遠大なアジェンダを突破する力

昨日、投開票が行われた第49回衆議院議員選挙は、自民党が絶対安定多数の261議席、自公両党で293議席を獲得しました。
つまり、与党が国民から信任を得たことになります。

第2次岸田内閣が近々発足し、今月中に経済対策が閣議決定されますが、これに先立ち、10月26日には岸田文雄首相肝いりの「新しい資本主義実現会議」の第1回会合が開催されました。

【成⻑と分配の好循環のイメージ】出典:新しい資本主義実現会議第1回資料

同会議の資料によれば、「我が国が目指していく新しい資本主義の姿は如何にあるべきか」「政府、企業、イノベーション基盤(大学等)といった各主体が果たすべき役割、国民・生活者の参画の在り方、官民それぞれが役割を果たす中での協力の在り方とは何か」が論点とされています。
名称自体も大仰なもので、つかみどころがないのですが、「新しい資本主義とは何を指すのかよくわからない」「実現後のイメージが伝わってこない」という感想を抱きました。

経済学者でも先を見通せない課題に、どういう方向性で取り組んでいくのか興味を持って資料を読んでみましたが、要は、所信表明演説でも選挙戦でも繰り返し訴えられてきた「成長と分配の好循環」に尽きるようです。
野党第一党の「分配なくして成長なし」という主張とどう異なるのか、はっきりとは理解できません。
欧州流の社会民主主義や英国の「第三の道」においても求め続けられてきたもので、本当に「新しい」概念なのかどうか定かではありません。

とはいえ、一部メディアのように、端からムダだと冷ややかにとらえているわけではありません。
こうした「大きな」テーマが掲げられたことは、絶えて久しくありませんでした。
国民を巻き込んだ議論や対話の盛り上がりを、大いに期待したいと思っています。

そのためには、事務局主導の結論ありきという旧癖を一掃することが必要になります。
首相自ら議長を務めることになっていますが、「聞く力」を活かしてファシリテーターを買って出てはいかがでしょうか。

それぐらいの気概がなければ、突破など覚束ない遠大なアジェンダなのですから。
閉塞感に苛まれているのは、わが国だけではありません。
日本から生まれるブレークスルーを見たいと思うのは、私だけではないはずです。

                                  株式会社ウエルビー 
                                  代表取締役 青木正人

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