ホーム > 月刊コラム

月刊コラム

2022年1月号

2022年1月号

ケアする存在としての人間が創り出す社会へ
私たちは「関係」の中に存在している

新年あけましておめでとうございます。

今年の年賀状に、カルロ・ロヴェッリの(Carlo Rovelli)『世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論』(Helgoland)中の、次の言葉を引用しました。
 The world that we observe is continuously interacting.
 It is a dense web of interactions.
世界が相互作用による密な網だとしたら、私たちが生きているという事実は、他者との関係にしか認められない、ということになるのでしょうか。

こうした記述を見ていると、以前、読んでも理解が困難だった、同じ物理学者であるデヴィッド・ボーム(David Bohm)の『ダイアローグ』(On Dialogue)の一節を思い出しました。
「想定は一種の観察者の機能を果たしている。我々は観察するときにそうしたことを忘れており、物事を見る上ではまったく考慮に入れていない。しかし、このいわゆる『観察者』は、自分が観察しているものに多大な影響を与える。さらに、観察しているものによって自分自身も影響されるのである。観察している対象と、観察者との間には、実のところほとんど隔たりがない」
 The assumptions are functioning as a kind of observer.
 When we observe we forget that, and we are looking without taking that into account.
 But this “observer” profoundly affects what it is observing, and is also affected by what it is observing—there is really very little separation between them.

量子力学の深遠な理論はまったく理解できませんが、「見るものと見られるものが一つ」であると仮定してみると、世界の見方が変わってきます。
「『社会』とは客観的な現実ではない。あらゆる人々の意識を通じて作り出された現実なのである」(デヴィッド・ボーム)
 ‟Society” is not an objective reality—period.
 It is a reality created by all the people through their consciousness.

私たちが望むのは、答えが一つしかない社会ではなく、他者との対話によって答えが導き出される社会であり、世界は私たちのコミュニケーションで合意されたときにはじめて成立する、ケアする存在としての人間が創り出す社会なのではないでしょうか。

年頭に、「希望」という言葉が色あせない世界であることを願ってやみません。


                                  株式会社ウエルビー
                                  代表取締役 青木正人

経営者必読の医療・福祉・介護事業の本

お得な割安購入もあります!

                   > 詳しくはこちら